消えるタトゥー3種のちがい。ヘナ・ジャグア・シールは何日で消える?

ヘナ・ジャグア・タトゥーシールは、どれも肌の表面に色をのせるだけなので、数日から数週間で消えます。タトゥーにいちばん近い色に見えるのはジャグアで、2週間ほど持ちます。ただ、真っ黒に染まる「黒いヘナ」には、かぶれの原因になる染料(PPD)が入っていることがあります。本物のタトゥーの前に、場所や大きさを試す下見として使えます。
この記事の内容(7)
3つとも、針を使わず肌の表面にのせるだけ
ヘナとジャグアは植物から作った染料を塗るもの、タトゥーシールは絵柄を肌に写すものです。どれも針で肌の中に入れるわけではありません。肌のいちばん外側が入れ替わるにつれて、少しずつ薄れていきます。
| ヘナ | ジャグア | タトゥーシール | |
|---|---|---|---|
| もとになるもの | 植物(ヘナ)の葉 | 南米の果実(ジャグア)のエキス | 絵柄を印刷したシート |
| 色 | 茶色・オレンジブラウン・赤褐色 | 青みのある黒 | 印刷された色 |
| つけ方 | ペーストで描いて、数時間おく | 塗ってから1〜2日で色が濃くなる | 水などでぬらして肌に写す |
| 持ちの目安 | 3週間ほどで薄れる | 8〜15日ほど | 商品の説明による |
ヘナで染まるのは、赤みのある茶色
ヘナは、ミソハギ科の植物の葉に含まれる色素(ローソン)で肌を染めます。髪を染めるのにも使われる植物です。ペーストで肌に描き、数時間おいてから落とします。
色は茶色やオレンジがかった茶色で、黒にはなりません。ニュージーランドの皮膚科学会の解説では、3週間ほどで薄れていくとされています。
アメリカの FDA(食品医薬品局)がヘナを認めているのは髪の染料としてだけで、肌に直接塗る使い方は認めていません。
いちばんタトゥーに近く見えるジャグア
ジャグアは、南米の木(ゲニパ・アメリカーナ)の実のエキスです。アマゾンの先住民が、昔から体を飾るのに使ってきました。フランスの医学誌に2024年に載った解説によると、塗ってから24〜36時間ほどで青みのある黒になり、8〜15日ほど残ります。
線の色が黒いタトゥーに近いので、仕上がりのイメージをつかみやすいのが特長です。このサイトでも、ジャグアで描いた作品を見られます。
植物から作ったものでも、かぶれることはあります。2017年には、ジャグアでアレルギー性の皮膚炎を起こした人の例が医学誌に報告されています。原因は、色のもとになる成分(ゲニピン)でした。
タトゥーシールは、こすってはがすと跡が残ることも
国民生活センターは2019年、タトゥーシールやフェイスペイントによる肌のトラブルについて注意を呼びかけました。日本では、タトゥーシールの安全性について、はっきりした決まりや基準がありません。
寄せられた例には、なかなかはがれないシールを強くこすって、かさぶたになり、あとがシミのように残ったものがありました。貼った形のまま赤くなり、あとから水ぶくれになった例もあります。
同じ発表では、ネットで売られていたタトゥーシールとフェイスペイントを20銘柄調べています。12銘柄には、使い方や注意の日本語の表示がありませんでした。タトゥーシール3銘柄からは、化粧品には使えないホルムアルデヒドが出ています。コバルトなど、金属アレルギーの原因になるとされる金属が出たものもありました。
使う前のことを、国民生活センターは次のようにすすめています。
- 腕の内側などで、先に試してみる
- はがし方を読んでから使う
- 肌に傷や湿疹があるときは使わない
真っ黒に染まる「ヘナ」には、PPD が入っていることも
ヘナだけでは黒くならないので、「ブラックヘナ」などの黒い製品には、ほかの成分が足されていることがあります。そのひとつがパラフェニレンジアミン(PPD)という、白髪染めに使われる染料です。国民生活センターは、PPD などの染料について、アレルギー性の皮膚炎を起こしやすいと説明しています。
PPD に初めてふれた場合、かぶれが出るのは7〜14日後が多く、すでにアレルギーのある人では48時間以内に出るとされています。赤み、強いかゆみ、水ぶくれなどが絵柄の形に出て、傷あとや色むらが残ることもあります。
見落としやすいのは、一度アレルギーになると、あとで髪を染めたときにも反応しやすくなることです。カナダ保健省は、ゴムや一部の薬にも反応することがあるとしています。
塗ったあとに赤み・腫れ・かゆみが出たら、すぐに落として皮膚科を受診してください。何を塗ったかわかるもの(商品名や店の名前)があると、診察で役立ちます。
同じカナダ保健省は、次のような製品は PPD 入りを疑うように呼びかけています。
- 「ブラックヘナ」と書かれている、または真っ黒に染まる
- 数時間おかなくても、すぐに色がつく
- ヘナらしい草のにおいが、ほとんどない
「1年で消えるタトゥー」に、まだ確かな裏づけはない
針で入れるのに時間がたつと消える、というインクもあります。アメリカのエフェメラル社は2021年、9〜15か月で消えるとうたってこうしたタトゥーを始めました。ところが2025年の NPR の報道によると、3年近くたっても残っている人がいます。会社も2023年に、人によっては3年ほど残ることがあると認めました。くわしくは「エフェメラルタトゥーは本当に消える?」にまとめています。
私たちが調べた範囲では、「何か月で消える」と公的機関や学会が確かめたインクは見つかりませんでした。FDA も、肌の中に注入する色素として認めたものは一つもない、としています。
針で肌の中に入れる点は、ふつうのタトゥーと同じです。選ぶなら、消えなかったときも受け入れられるかを考えておくと、あとで慌てません。痛みとケアは「タトゥーの痛み」と「アフターケア」の記事にまとめています。
本物を入れる前の、下見に使える
消えるタトゥーのいちばんの使いどころは、場所と大きさの下見です。図案を紙で見るのと、自分の体にのせるのとでは、印象がずいぶん変わります。
鏡の前で腕を上げてみる。いつもの服を着てみる。数日いっしょに過ごすと、紙の上ではわからなかったことが見えてきます。
ヘナやジャグアで描いた絵をスタジオに見せると、相談の手がかりになります。相談先は「スタジオの選び方」の記事で探せます。

よくある質問
- ジャグアは何日くらいで消えますか?
- 2024年の医学誌の解説では、8〜15日ほどとされています。塗ってすぐは色が薄く、1〜2日かけて青みのある黒になります。
- ヘナでかぶれたら、どうすればいい?
- すぐに落として、皮膚科を受診してください。黒いヘナだった場合は PPD のアレルギーかもしれません。あとで髪を染めるときにも関わるので、医師に伝えておくと、そのときに役立ちます。
- 子どもに使っても大丈夫ですか?
- 国民生活センターは、子どもの肌は大人より表皮が薄く、トラブルが起きることがあるとしています。対象の年齢や注意書きを読み、目立たない場所で試してから使ってみてください。
調べ方と出典(9件)
2026年10月に、国民生活センターの発表(2019年・2026年)、FDA とカナダ保健省の注意喚起、皮膚科学会と医学誌の解説、報道を確かめて書きました。タトゥーシールの持ちは商品ごとにちがい、公的な資料が見つからなかったため、日数は書いていません。
- 国民生活センター タトゥーシールやフェイスペイントによる肌トラブルが発生!(2019年9月18日)
- 国民生活センター 酸化染料を含むヘナ製品によるアナフィラキシーが発生(2026年5月20日)
- FDA Temporary Tattoos, Henna/Mehndi, and "Black Henna": Fact Sheet(2024年10月更新)
- FDA Tattoos & Temporary Tattoos & Permanent Makeup(2024年10月更新)
- カナダ保健省 Black henna temporary tattoos(2026年2月更新)
- DermNet(ニュージーランド皮膚科学会) Black henna tattoo reaction(2019年)
- La Revue du Praticien「Tatouages éphémères au jagua : pas sans risque」(2024年9月)
- Bircher ほか, Contact Dermatitis 77巻(2017年)ジャグアのゲニピンによるアレルギー性接触皮膚炎
- NPR「They were promised made-to-fade tattoos, which haven't really faded」(2025年4月22日)

