タトゥーがあっても温泉に入れる?銭湯・サウナ・プール・ジムの決まり

温泉もプールもジムも、入れるかどうかは施設ごとに決まっています。断るところもありますが、シールやラッシュガードで隠せば入れるところや、タトゥーがあっても入れることをはっきり書いているところもあります。行く前に施設の公式ページで「入れ墨・タトゥー」の決まりを見ておくのが、いちばん確実です。
この記事の内容(8)
温泉と旅館は、施設ごとに決めている
2015年に観光庁がホテルと旅館に聞いた調査では、回答した581施設のうち、入れ墨のある人の入浴を「断っている」が約56%でした。「断っていない」は約31%、「シールで隠すなどの条件つきで入れる」は約13%です。
翌2016年、観光庁は温泉や旅館の業界団体に、入れ墨があるというだけで入浴を断るのは適切ではない、と呼びかけました。あわせて、シールや入浴着で隠してもらう、家族連れの少ない時間に案内する、貸切風呂をすすめる、といった対応の例を示しています。
ただ、この呼びかけは外国からの旅行者に向けたものです。どう対応するかは、最終的にはそれぞれの施設が決めます。2015年の調査のあと、同じ規模の全国の調査は行われていません。
なぜ、断られることがあるの?
先の調査で、断る理由としていちばん多かったのは「施設の自主的な判断」で、約59%でした。「業界や地元の申し合わせ」が約13%、「警察や自治体の要請」が約9%と続きます。ほかのお客さんからの苦情が「ある」と答えた施設は、約半数(47.2%)ありました。
背景には、入れ墨から暴力団などを連想する人がまだいることがあります。2014年に関東弁護士会連合会が1,000人に聞いた調査では、タトゥーと聞いて「アウトロー」を思い浮かべる人が55.7%いました。
衛生の問題ではありません。観光庁の呼びかけでも、入れ墨によって衛生上の問題は生じない、と書かれています。断られるのは、ほかのお客さんへの気づかいや、地域の申し合わせによるところが大きいようです。
シールや貸切風呂なら、入れるところも
たとえば星野リゾートの「界」は、2015年から、縦8 cm・横10 cm のシール1枚で隠れる大きさなら入浴できる、という決まりを試し始めました(当時の発表)。いまの決まりは、施設のページで確かめてみてください。
タトゥーがあっても入れる施設を探すときは、日本政府観光局(JNTO)の紹介ページや、温泉・銭湯・ジム・プールを探せる「Tattoo Friendly」のようなサイトが手がかりになります。

銭湯は、断らないところが多い
一般の銭湯の業界団体(全国浴場組合)は、2017年の取材に、入れ墨のある人を断らず、組合として禁止の決まりも設けていない、と答えています。スーパー銭湯や日帰り温泉は、施設ごとに対応がちがいます。
国も2017年に、入れ墨があるというだけでは、公衆浴場法で入浴を断れる理由にあたるとは考えにくい、という答弁をしています。
プールは、ラッシュガードで隠せば入れることも
自治体のプールでも、決まりはさまざまです。2026年の夏の時点で、たとえば次のような例がありました。
- 東京都目黒区の区立プール: 見えている状態では入れない。ラッシュガードなどを着れば入れる
- 東京都台東区のスポーツセンター: ラッシュガードやテープで隠せば入れる。ラッシュガードの貸し出しもある(数に限りあり)
- 民間のレジャープール(よみうりランド、2022年の発表): ワンポイントやシールも含めて入れない

海水浴場には、条例のあるところも
海水浴場によっては、入れ墨を見せることを条例で禁じています。
- 神奈川県逗子市: ほかの人をこわがらせるような入れ墨・タトゥーを見せることを禁止
- 神奈川県鎌倉市(材木座・由比ガ浜・腰越): 7月1日〜8月31日、おおむね250平方センチメートル(はがき2枚ほど)を超える入れ墨を見せることを禁止
- 兵庫県神戸市の須磨海岸: 入れ墨などでほかの人を不安にさせることを禁止
ラッシュガードなどで隠していれば、問題にならないのがふつうです。

ジムは、隠せば使えるところが多い
大手のジムの公式ページを、2026年10月に見比べました。
| ジム | タトゥーの扱い |
|---|---|
| エニタイムフィットネス | 入会できる。施設の中では見せない(個室のロッカー・シャワーは別) |
| JOYFIT | サポーター・シャツ・テーピングなどで隠せば使える |
| ゴールドジム | 縦横15 cm に収まる大きさなら入会できる。館内では隠す |
| コナミスポーツクラブ | 利用を断っている |

行く前に、確かめておくこと
迷ったら、次のことを公式ページで見るか、電話で聞いてみてください。
- 入れ墨・タトゥーのある人は入れるか
- 隠せば入れるなら、何で隠せばよいか(シール・ラッシュガード・テーピング)
- 大きさの決まりはあるか
- 貸切風呂や、部屋についたお風呂はあるか
隠し方は「タトゥーの隠し方」の記事にまとめています。これから入れる人は、服や水着で隠しやすい場所を選んでおくと、こうした場面で困りにくくなります。
よくある質問
- 小さなワンポイントでも、断られますか?
- 施設によります。観光庁の呼びかけでは、手のひらくらいの小さなものなら隠さなくてよい、とする例が示されています。一方で、ワンポイントやシールも含めて断るプールもありました。
- サウナはどうですか?
- サウナも温泉や銭湯と同じく、施設ごとに決まっています。公式ページの利用案内で、入れ墨・タトゥーの項を見てみてください。サウナの情報サイト「サウナイキタイ」には、タトゥーがあっても入れる施設の一覧もあります。
- タトゥーがあると、衛生的に問題がありますか?
- 観光庁の呼びかけでは、入れ墨によって衛生上の問題は生じない、とされています。施術して間もない、まだ治っていない肌は、湯船やプールを控えるようスタジオから案内されるのがふつうです。
調べ方と出典(20件)
2026年10月に、観光庁の調査と呼びかけ、国会の答弁書、自治体のプールと海水浴場の決まり、大手ジムの公式ページを確かめて書きました。調査や報道の年は本文に書いています。
- 観光庁 入れ墨がある外国人旅行者の入浴に関する調査(2015年、トラベルボイスの報道)
- 観光庁 事務連絡(2016年3月16日、川崎市の掲載)
- 衆議院 答弁書(2016年6月2日)
- 衆議院 答弁書(2017年2月21日)
- 全国浴場組合などのコメント(2017年、J-CAST ニュース)
- 星野リゾート「界」のシールの試行(2015年、トラベルボイスの報道)
- 日本政府観光局(JNTO)Tattoo-friendly onsen
- Tattoo Friendly
- サウナイキタイ タトゥー OK のサウナ
- 関東弁護士会連合会の調査(2014年。薄上二郎「日本における入れ墨・タトゥーへの意識」での引用)
- 目黒区 区民センター屋外プール
- 台東リバーサイドスポーツセンター プールの案内(2026年)
- よみうりランド プール WAI(2022年の発表)
- 逗子市 海水浴場の条例(2022年の発表)
- 鎌倉市 海水浴場のマナーの向上に関する条例
- 神戸市 須磨海岸を守り育てる条例
- エニタイムフィットネス よくある質問
- JOYFIT よくある質問
- ゴールドジム よくある質問
- コナミスポーツクラブ 利用案内